ストレスに対抗するには

日常生活の中で、“ストレス”という言葉は気軽に使われています。
例えば、「最近ストレスがたまっている」とか「運動でストレス発散しよう」など様々な場面でストレスという言葉が用いられています。
では、このストレスとういう言葉はいつから使われるようになったのでしょうか?

元々“ストレス”という言葉は物理学で使われていて、「外からかかる力による物質の歪み」のことを意味していました。
人では、カナダのセリエ博士が1936年に“ストレス学説”を発表したことから、医学の世界でもこの言葉が使われ始めました。
医学的には、外からの刺激に対するからだやこころの反応のことを“ストレス反応”と呼び、その反応を生じさせる刺激のことを“ストレッサー”と呼んでいます。
一般に言うストレスはこの両方の意味を含んでいます。

自殺者の7割以上がうつを伴っていると報告されています。
また、最近ではうつは様々な身体症状や疾患と関係することがわかってきました。
例えば、うつが続くと脳卒中や心筋梗塞などの病気にかかりやすくなること、それとは逆に、脳卒中や心筋梗塞になったのをきっかけにうつになる例があることが知られています。
また、頭痛、腰痛、めまい等の症状が続いているときに、実はうつが隠れている場合があること、さらに、高齢者の場合、物忘れが急にひどくなるなど認知症*を疑わせる症状の原因がうつであることがあります。
これらの場合、うつの治療で腰痛などの症状や認知症のような症状がよくなる例もあります。

「ストレスが全く無くなったら楽だろうな」ほんとでしょうか?
でも、ストレスって本当に悪いことばかりなのでしょうか?

次のような逸話があります。
ある人がストレスの研究者であるセリエ博士に「ストレスを感じたことのない人間はいますか?」と尋ねたところ、博士は「いますよ。よろしかったら、これから会わせてあげましょう」と答え、すぐ近くの墓場に案内したといいます。
ストレスを感じないのは死者だけなのです。

実は人間にとって、良いことも悪いことも、大なり小なりストレスになります。
しかしながら、同じストレスでも自分の考え方や対処によって、良いストレスになったり、悪いストレスになったりする場合があります。
例えば、他人から自分の欠点を指摘されたとします。
気分が落ち込んで何もかもやる気がなくなってしまう人もいますし、自分の欠点を積極的に修正しようとする人もいます。
すなわち、ストレスを受けることで現在の自分を見つめ直したり、新しいことを始めるきっかけになることもあるのです。

セリエ博士は「ストレスは人生のスパイスのようなもの」と言いました。
ストレスを上手にコントロールすることで、人生をより豊かにすることができるでしょう。



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